包丁研ぎ

こんにんちは。

先日までお正月気分だったつもりが、あっという間に1月が終わりに近づいてきました。

時間の経過が早く感じるのは、「トキメキ」が無くなったからという説があるようです。その説によると、19歳を過ぎたあたりから徐々に薄れていくとか。確かに社会人になってからなんとなく1年が早く感じるようになった気がしますね。

小さい頃(若い頃)は、1つ1つの出来事に「発見」があったり、「感動」があったりと、1日そして1年が充実(長く感じる)していたのに、年を重ねるごとにそれが減少して、そのうち「今日は何やっとったんやろ?」と考え、そしてそれすら考えることなく次の日を迎え、その繰り返しで1年を迎えて年末になり、出てくる言葉が「あっという間の1年やったね」って事になるようです(^_^;)(個人差は大いにあり)

年末のご挨拶では決まり文句のような言葉ですのでよく使ってますが、個人的に去年はやる事がいっぱいありすぎて、違う意味であっという間に1年が終わりました。

充実過ぎてしまった原因は、趣味が増えて重なってしまったからです。

ここ数年の趣味は日記でも書いているように釣りなんですが、今まで同時に複数の趣味が重なる事はありませんでした。大体続いて3年くらい。

去年から始めた事なのですが、釣りを始め→釣った魚を捌くために和包丁を買い→次第に包丁の切れ味が悪くなり→研ぎに出すも仕上がりに納得いかず→結局自分で研いでみようと思い→岐阜(関)・大阪(堺)・福井(越前)へ研ぎ方を学ぶうちに、包丁研ぎの世界にハマってしまいました。

最初はもちろん、家の包丁で練習をしてたのですが、当然ながら数に限りもあり、エリアを広げて親戚から少しずつ妻のママ友さん方にご協力を頂いて、腕を磨いていきました。

1つとして同じ包丁に出会わないので、1回1回が発見と勉強の連続で、早く仕上がるのもあれば2時間、3時間とかかるときもあり砥石を選ぶパターンがつかめず、始めて半年くらいたった頃からどうしていいかわからず、悩み始めました。

なんかいい答えがないかとネット検索してたところ、研ぎに熱意を注いでいらっしゃる三重県松阪市に店舗を構えている「月山義高刃物店」さんを見つけ、すがるような思いでお店を尋ねました。

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こちらの店主で研ぎ師の藤原さんは、一般社団法人日本包丁研ぎ協会の理事も務められている方で、包丁の研ぎ方による切れ味と切れ味の違いによる料理の味・食感への影響を日々研究されている方です。

お店に尋ねたときはご不在だったのですが、後日お話する機会をいただき、私の砥石を見ていただきながら1つ1つの特徴や使い方などをアドバイスしていただきました。お話を伺っている中で驚いたのが、「正解は私も見つかっていません」と言われたことです。

大事な事は、包丁の状態を見極める事「所見」である事を教えていただきました。

実は新品の包丁は能力の40%くらいの切れ味と言われています。また、歪みや刃先のラインが整っていない商品が多いです。お預かりした包丁を闇雲に研ぐのではなく必ず所見を行い、研ぎの進め方を決めてから砥石の選定をして研ぎを始め、状態を確認しながら砥石の種類・番手を変更して仕上げていく必要がある事を教えていただきました。

アドバイスは頂いたものの、まだまだスキルアップには繋がらないと思い、こちらのお店で実施されている「包丁研ぎ講座」を申込みました。申し込んだのは去年の9月でしたが、年内の申し込みがいっぱいで、この1月にようやく受講することができました。

ちなみに受講者数は1,000人を超えているそうで、私のようなド素人ではなく、プロの料理人の方が全国から受講に来られるそうです。

講座当日は、AM10:30から座学を始めていただき、基礎となる「包丁を知る」という所からマンツーマンでご教授を頂きました。テキストをもとに進めていただきましたが、載っていない知識も教えていただけるので、スーパー集中モードで聞いてたら、あっという間に夕方の5時!

それから実技に入り、包丁の持ち方・砥石との角度・研ぎのストロークなどなど、詳しく丁寧に教えていただきました。終わったのがPM7:30。まだまだ足りないくらいでしたがお店も閉店になるので、ここで受講終了となりました。

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ちなみに上の柳刃包丁は、大阪堺で買ってまだ手を出してない(研いでない)物ですが、表も裏もまだまだ修正が必要な状態です。時間をかけて美味しいお刺身が切れる包丁に仕上げます。

藤原さんから学んだことを大切に修行を重ねて、たくさんの方達に本当の切れ味を伝えることができる「研ぎ師」を目指したいと思います。

あくまで「電話屋さん」やけどね(^_^;)